メイロン。 医療用医薬品 : メイロン

京大病院の医療事故(メイロン®誤投与)で思うところ…

メイロン

目次 必要な場所から読んでください• メイロンとは? 呼吸によって肺から取り入れられた二酸化炭素は炭酸水素イオンに変化して体液のアルカリ性と酸性のバランスを調整しています。 アルカリ性と酸性の度合いの指標であるpH(ペーハー)は中性がpH7. 0でありpH7. 0より大きな値になるとアルカリ性、pH7. 0より小さな値は酸性であることを示しています。 血液中のpHは7. 35~7. 45の弱アルカリ性に保たれていますが、その範囲を越えると人体の代謝、腎臓の機能、内耳器官に大きな影響を与えて病気の症状が認められるようになるのです。 pHが7. 35以下では血液が酸性に傾きアシドーシスと呼ばれる状態になり様々な障害が出てきます。 また内耳器官では炭酸水素イオンは弱アルカリ性に体液を保つのみではなく内耳における血管収縮の調節や水分の出入りに関係した圧力である浸透圧の変化を調節しています。 メイロンは 生体内のpH調整に重要な働きを担っている炭酸水素イオンを体に供給するために炭酸水素ナトリウムそのものを輸液製剤とした薬です。 メイロンはこんな時に使用します アシドーシス、尿中pHの上昇により尿中排泄が促進される 薬物の中毒症状、急性じん麻疹の治療や、動揺病(乗り物酔い)・メニエール症候群・その他の内耳障害による悪心・嘔吐・めまいの治療に使用します。 メイロンの種類・形状・サイズについて メイロンの種類毎の形状、サイズを以下の表にまとめています。 薬物中毒の際の排泄促進への効果 サリチル酸塩、フェノバルビタール、メチルアルコールなどの過剰摂取による中毒症状の治療に使用します。 これらの薬物は メイロンによって尿中pHが高くなると尿細管からの再吸収が抑えられて血液に戻らずに尿中へと薬が排泄されて中毒症状を改善します。 アシドーシスへの効果 pH7. 45の範囲で保たれている血液がpH7. 35以下の酸性に傾いた状態をアルカリ性にすることでpHを正常範囲に保ちアシドーシスによる危険な状態を改善します。 糖尿病や手術などで生じたアシドーシスを改善する効果が報告されています。 めまいへの効果 乗り物酔いやメニエール症候群のめまいは内耳障害から生じると考えられています。 耳は音を聞く他にも内耳と呼ばれる部分で体のバランスを保つ働きをしています。 内耳内部で体の平衡感覚維持に関わっている耳石が動くことや内耳を満たしている液が増えすぎてむくむことでめまいが生じます。 メイロンは耳石に直接作用して乗り物に乗った際に感じる加速度の感受性を鈍らせることと 内耳血管を拡張して内耳内の液量を調節することでめまいを改善します。 血流を改善する効果 炭酸水素イオンの血管を拡張する作用によって血流を改善します。 Sponsored Link 急性じん麻疹への効果 急性じん麻疹の原因の一つに血液の酸性化であるアシドーシスが考えられています。 メイロンは 血液をアルカリ性に戻す事で急性じん麻疹の症状に効果を示します。 内耳障害への効果 耳の機能の一つである体の平衡感覚制御は内耳と呼ばれる耳の奥にある器官で担われています。 内耳の中にある乗り物の加速の度合いを感知する耳石や内耳を満たす液体が過度に増えてむくみを持つことで、悪心・嘔吐・めまいなど乗り物酔いやメニエール症候群の症状が出てきます。 メイロンは 耳石に作用して乗り物酔いの症状を改善します。 また 内耳血管を拡張して血流を良くすることで内耳のむくみを改善しメニエール症候群の内耳障害症状も改善します。 メニエール症候群への効果 メニエール症候群はめまいが主な症状で他に難聴、耳鳴り、悪心・嘔吐などの症状も出てくる病気です。 病気の命名に関わるメニエール医師の解剖所見では内耳の障害が認められていました。 他にも自律神経障害や水分代謝異常などの関与が言われていますが十分には原因は解明されていません。 内耳の水分貯留によるむくみ、内耳血管拡張による血流改善、自律神経への作用を介して症状を改善します。 Sponsored Link メイロンの副作用 重大な副作用の報告はありませんが、その他の副作用が認められた場合には一旦、使用は中止するなどの処置が必要になります。 メイロンの副作用一覧 副作用を下の表にまとめています。 それぞれ発現頻度は不明です。 45以上になるとアルカリ性に傾き過ぎたアルカローシスの症状(筋力低下、嘔吐、昏睡など)を呈します。 血液をアルカリ性にするメイロンを過剰に投与するとアルカローシスを起こしてしまいます。 アルカローシスが認められた場合はすぐに静脈内投与されているメイロンを減量あるいは中止します。 重篤な症状には塩化アンモニウム(腎不全と肝不全の患者には危険ですので使用は避けます)など血液を酸性化する薬やカルシウム塩を静脈内投与する処置をします。 Sponsored Link 高ナトリウム血症の症状とその対処法 炭酸水素ナトリウムであるメイロンを過剰に投与すると口渇や粘膜の乾燥などを症状とする高ナトリウム血症を起こします。 高ナトリウム血症が生じた場合はメイロンを減量あるいは中止します。 低カリウム血症の症状とその対処法 メイロンの過剰投与で生じるアルカローシス(筋力低下、悪心、嘔吐、意識障害など)に伴って低カリウム血症が認められます。 その場合は減量あるいは投与を中止します。 重篤な症状でない限りは経口的にカリウムを補給することが望ましい対処法です。 重篤な場合は静脈からカリウムを投与しますが血中カリウム濃度と心電図をモニターして慎重に処置する必要があります。 血液凝固時間延長症状とその対処法 基礎研究や臨床現場において炭酸水素ナトリウムが血液凝固時間を延長することが報告されています。 血液凝固時間延長によって出血が止まり難い場合などは投与を減量あるいは中止して、さらに止血などの必要な処置を施します。 口唇しびれ感の症状とその対処法 様態を十分に観察して口唇のしびれた感じがする場合は減量あるいは投与を中止してください。 知覚異常の症状とその対処法 十分に注意しながら観察して四肢末端の知覚異常が出た場合は減量あるいは投与の中止などの処置を受けてください。 血管痛の症状とその対処法 メイロンは血液と濃度が異なるため血液中に注射すると均一な溶液にしようと物理的圧力(浸透圧)が生じ血管に痛みを感じる場合があります。 投与の注射場所を変えることや場合によっては投与の中止などの処置を受けてください。 貧血の症状とその対処法 酸素を全身に運ぶ血液中の赤血球が減少し脳などが酸素不足になる症状が貧血です。 減量あるいは投与を中止します。 徐脈の症状とその対処法 通常より脈拍数が減り1分間に60回以下となることを徐脈と呼びます。 脳に血液が送られ難くなりますので減量あるいは投与を中止します。 テタニーの症状とその対処法 手足の筋肉が痙攣して腕や足の関節が曲がったままの状態をテタニーと呼びます。 カルシウム製剤を補給することで対処します。 メイロンとカルシウム製剤を混ぜると沈殿が生じるので配合しての輸液投与は避けなければなりません。 Sponsored Link メイロンが効くまでの時間 メイロンは静脈から血液に直接投与される薬ですので薬は投与直後に生体内に入りますが、投与は血液中のpHの変化を持続的に確認しながら過剰投与に注意して徐々に行われます。 血液組成の変化に効果が認められる時間は投与速度によります。 投与速度は症状の重篤度、年齢、注意を要する合併症などによって異なります。 メイロンの効果持続時間や使用間隔 メイロンは血液内のpHや症状を観察しながら過剰投与に注意して静脈注射で継続的に投与されます。 メイロンの炭酸水素ナトリウムは動物では投与後に4時間程度まで組織から検出されている報告はありますが 効果の持続については病気の症状や原因によって異なります。 人においては1回の静脈内投与でどのていど効果が持続しているかの研究はされていません。 メイロンが効かない!そんな時の対処法 メイロンの効果が無い場合はメイロンの組成が変化している可能性があります。 メイロンはpHをアルカリ性に調整する炭酸水素ナトリウムですが分解によって二酸化炭素と水に変化することや空気中への二酸化炭素の出入りで組成が変わることもあります。 組成が変わると効果が無くなります。 メイロンを使用するときには 開封前に容器のインジケーターが黄色であることを確認してください。 紫色の場合は組成が変化しているので使用しないでください。 また使用直前に開封して使用してください。 開封した状態で放置後に使用することと残った液の再使用は厳禁です。 Sponsored Link メイロンの使用がおすすめできない人 メイロンは血液のpHに変化を与えるため全身に多大な影響を与える輸液製剤です。 患者の状態によって多くの使用上の注意を要します。 また 緊急時に使用されることもあるので危険性を注意深く観察しながらの投与が必要となります。 メイロンの妊娠中・授乳中の服用 妊娠中や授乳中の女性で妊娠中毒症による高血圧や浮腫(水分が組織内に溜まった「むくみ」)の症状が出ている場合は水分やナトリウムの過剰投与の危険性があるため血液の組成をモニターしながら注意して投与します。 メイロンの胃腸、血液、肝臓・腎臓、心臓の病気がある人の服用 投与されたメイロン(炭酸水素)は分解され炭酸ガスとなって肺から排気されますが、心停止し心肺蘇生時に使用する場合は患者自身では炭酸ガスの排出に対応する反応ができない場合があるので呼吸管理による換気が必要になります。 うっ血性心不全や重症高血圧の患者に投与する場合は血液中にメイロン液を追加することで心臓の負担が増して水分やナトリウムが過剰に蓄積した浮腫にいたることがありますので血液組成をモニターしながら慎重に投与することになります。 腎障害のある患者は腎臓での再吸収が十分ではなく投与したメイロンで水分やナトリウムが過剰に蓄積する危険性があります。 血液組成に十分に注意して投与してください。 低カルシウム血症や低カリウム血症の患者では液pHが上昇することで血液中のカルシウムやカリウムが減少し症状を悪化させることがあります。 血液中の組成をモニターしながらの慎重投与になります。 Sponsored Link メイロンとラクテック、エルネオパ、ラシックスを比較 輸液療法の目的は水分、電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)、pH、浸透圧などの体液バランスの補正・維持と栄養の補給にあります。 体液バランスの維持をもっぱらの目的とする電解質輸液製剤としてメイロンとラクテックがあります。 エルネオパは電解質の他にビタミンやアミノ酸を含んだ栄養輸液製剤となります。 ラシックスは排尿を促すことで体液バランスの補正をする利尿剤です。 メイロンとラクテックの違い 電解質輸液製剤のメイロンとラクテックの組成と効能・効果の比較を下の表にまとめています。 ラクテックに含まれる乳酸は体内で分解されてメイロンの成分である炭酸水素イオンに変化します。 メイロン ラクテック 組成 炭酸水素ナトリウム 塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム、塩化カリウム、L-乳酸ナトリウム 効能・効果 アシドーシス、薬物中毒の排泄促進、動揺病とメニエール病の悪心・嘔吐・めまい、急性じん麻疹 血液や細胞外液減少時の体液の補給・補正、代謝アシドーシスの補正 メイロンとラクテックの併用について メイロンはカルシウムを含む製剤と混合すると沈殿を生じるため配合してはいけません。 ラクテックはカルシウムを含む製剤なのでメイロンとラクテックを配合して併用することは避けます。 Sponsored Link メイロンの飲み合わせに注意! メイロンと併用することで重篤な副作用が出る薬の報告はありませんが、 カルシウムを含む製剤と配合した場合は沈殿を生じるため配合しての輸液投与は避けます。 また配合することで組成が変化を及ぼす製剤とは配合投与は避ける必要があります。 メイロンは市販で手に入る? メイロンは病院で医師の処方で静脈内に点滴として投与される医療用医薬品のため 市販では入手できません。 同じ成分の他の医療用医薬品を以下の表にまとめています。 Sponsored Link メイロンに関するQ&A 妊娠中や授乳中の体への影響や、子供への影響が心配されますが 妊娠中や授乳中の女性に使用されていますが高血圧や浮腫(むくみ)などの妊娠中毒症がある場合はメイロンを輸液することで水分やナトリウムが過剰に蓄積され症状を悪化させ危険です。 輸液する場合は血液をモニターして慎重にすることが求められます。 mEq(ミリ当量)は電解質の量の単位です。 メイロンと一緒に輸液してはいけない薬はありますか? メイロンはカルシウムを含む輸液製剤を配合すると沈殿が生じるので配合してはいけません。 カルシウムを含む輸液製剤の代表例を下表にまとめています。 分類 商品名 電解質輸液製剤 ソリタックス-H輸液、トリフリード輸液、フィジオ35輸液、ラクトリンゲル液「フソー」、ソルラクトS輸液、ソフラクトD輸液、ボタコールR輸液、リンゲル液「オオツカ」、ヴィーンD輸液、ヴィーンF輸液、フィジオ140輸液、ビカーボン輸液、ビカネイト輸液、フィッジオ70輸液 中心静脈栄養用基本液 トリバレン、ハイカリック、リハビックス-K 中心静脈栄養用キット製品 ビーエヌツイン、アミノトリバ、ミキシッド、エルネオパ、フルカリック、ネオバレン 抹消静脈栄養用輸液基本液 アミノフリード、ビーフリード、アミノグランド、パレセーフ、パレプラス 薬剤師 まとめ 今回の内容は医薬品の添付文書とインタビューフォーム、「今日の治療薬2017」を参考にしました。 下の表にまとめています。 2 x 体重 kg 〇薬物中毒治療、動揺病、メニエール病 炭酸水素ナトリウムとして成人に1回12~60mEq *mEqはミリ当量の意味。

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代謝性アシドーシスに対するメイロンでの補正

メイロン

使用上の注意 (添付文書全文) (慎重投与) 1.心停止のある患者[炭酸ガスが蓄積し、細胞内アシドーシス発現の誘因となる恐れがある]。 2.うっ血性心不全のある患者、重症高血圧症の患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化する恐れがある]。 3.腎障害のある患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化する恐れがある]。 4.末梢浮腫及び肺浮腫のある患者[浮腫が悪化する恐れがある]。 5.妊娠中毒症の患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、妊娠中毒症を悪化させる恐れがある]。 6.低カルシウム血症の患者[症状が悪化する恐れがある]。 7.低カリウム血症の患者[症状が悪化する恐れがある]。 8.新生児。 (重要な基本的注意) 心肺蘇生時には、炭酸ガスを十分排除する必要があるので、本剤の投与にあたっては、換気を十分に行う。 (高齢者への投与) 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意する。 2).カルシウムイオンと沈殿を生じるので、カルシウム塩を含む製剤と配合しない。 2.投与前: 1).寒冷期に結晶が析出することがあるが、この場合には温めて結晶を溶解して使用する。 2).感染に対する配慮をする(患者の皮膚や器具消毒)。 3).開封後直ちに使用し、残液は決して使用しない。 3.投与時: 1).ゆっくり静脈内に投与する。 2).血管外へ漏れると組織炎症・組織壊死を起こすことから、針先が確実に静脈内に挿入されていることを確認して、注入を開始する。 また、できるだけ太い静脈を利用する。 3).血管痛が現れた場合には、注射部位を変更し、また、場合によっては投与を中止する。 (取扱い上の注意) 1.外袋は使用直前まで開封しない(薬液のpH上昇を抑制するため、ガスバリア性のフィルムで包装している)。 2.外袋を開封する前にインジケーターの色が「黄色」であることを確認する(紫色に変色している場合は使用しない)。 3.包装内に水滴が認められるものや内容液が着色又は混濁しているものは使用しない。 4.容器の液目盛りはおよその目安として使用する。 処方薬事典は医療・医薬関係者向けのコンテンツです。

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メニエール病の症状を緩和することができるメイロン注入

メイロン

そもそもの酸塩基平衡異常の治療は原則として原因の鑑別と除去である。 15など は対症療法が行われる場合もある。 メイロンは炭酸水素ナトリウムであり、HCO3-投与により性アシドーシスを改善させる。 25 8. 2 添付文書から 初回半量を静注または点滴静注 pHとBEを投与後に評価して,追加投与を検討する。 糖尿病 では原則としてアシドーシスそのものの補正は行わない 治療により速やかにケトン体が消失し、治療後にアルカローシスを来すため。 また、による高度アシデミアは心機能低下を引き起こさないらしい• 乳酸アシドーシス 乳酸アシドーシスは体の嫌気性が進行して起こるものであり、メイロン投与によりHCO3-を上げると、同時に大量のCO2が産生されて呼吸性アシドーシスが進行し、臨床症状は更に増悪することに繋がりうるので注意。 ただし、組織低酸素による乳酸アシドーシスの進行が急激で致死的な状況になりうる場合、緊急避難的にメイロンを投与することは悪くない。 虚血でアシドーシスならばのアシドーシスを治すのは、適切な酸素投与と換気と心マによる組織灌流の増量が主軸。 また、適切な換気と血流が得られていないと呼吸性アシドーシスも合併しうる。 虚脱時間が短い場合、尿毒症による高K血症や薬物中毒など原因のがっきりしているもの、自己心拍再開後の循環の安定化には効果があるコアもしれない。 数分かけて投与し過剰補正は行わないように。

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